やばい、トラブルにあった。
バイクのエンジンがかからない。
故障・不調の原因を特定しなければ。
そんなとき、解決策をどう導くか?
正解は案外、他の誰よりも私自身の経験の中にあるのかもしれない。
走り出してすぐエンスト
バイクです。
キャブレターの旧式です。
たまにしか乗らないと、調子が悪くなりがちです。
ちょっとした理由から、前回の乗車から2~3週間くらい経過しただろうか、間隔があいている。
まあバッテリーを新品に変えてからは、始動は悪くない感じだ。
外付けした電圧計もそれなりのV(ボルト)を示す。
そんな感じで、とりあえずエンジンがかかったので走ってみる。
少しだけ動いた段階でチョークを戻し、さらに少し進む。
駐輪場から見て30~40mほど進んだところだろうか?
少しだけアクセルを開けたら、…プスン、エンストしてしまった。
ギアをニュートラルにして、再びチョークを引いた状態でセルを回す。
まったくエンジンがかかる気配がない。
キュルルルルルル…、とセルが回る音だけがする。
何度か繰り返して、ダメそうな気配。
家からは近いので、手押しでバイクを駐輪場まで戻してその日はあきらめる。
夏の日、汗だくですよ。
問題はどこにあるのだろうか?
日々のメンテナンスはやっていますか?
定期的にディーラーで診てもらっているのなら、大丈夫でしょう。
しかし型落ち・絶版車などはディーラーの対応も冷たいですからね。
詳しくは書かないが、間違った取り扱いをされて泣きをみることさえあります。
ChatGPT に質問してみたら?
前章の内容で、ChatGPTに聞いてみた。
すると、要約すると次のような答え。
🧪 優先すべき確認ポイント
- プラグの状態(かぶり or 火花出てるか)
- キャブにガソリン来てるか(ホース確認)
- キャブの分解清掃(ジェットの詰まりは定番)
この内容は、ネットで検索してでてくるものと、ほぼ一緒。
Yahoo! 知恵袋みたいなところで相談しても、まあ同じでしょうね。
現実のバイク屋さんにお願いしても似たような対応でしょう。
2.に関しては補足すると、ガソリンとは混合物なので揮発しやすい成分と揮発しにくい成分がある。
キャブのフロート室に溜まっているわずかな分が、始動で点火する際に使われるが、フロート室内は完全密封状態とはならないので揮発しやすい成分から優先的に揮発する。
エンジンを点火する際には揮発しやすい成分が欲しいのだが、保管中にソレが優先的に抜けてしまって、まあ質の悪いガソリンとなっているわけだ(これが、週一くらいで乗った方がいい理由の一つ)。
だから、いったんフロート室に溜まっているガソリンを抜きました(六角でドレンをゆるめて)。
次に始動チャレンジするときには、新たにガソリンタンクから落としたガソリンをフロート室に溜める。
この方が、ガソリンの質は良くなるからね。
チャットGさんはガソリンタンクから垂らしている燃料ホースが抜けていたり、道中のフィルターが詰まっていないか(あるいはガソリンコックがOFFになっていないか)チェックしてくれ、と言っているのです。
これを広義で解釈すると「燃料系の問題」となります。
あとは、1.【プラグ(電気)】 か 3. 【キャブレター(吸気)】が原因になるのだが、3. の可能性は否定する。
なぜなら、キャブの分解清掃なんてことは絶対にできないから(難易度がとても高い)。
だから、原因はプラグに絞ることになる。
3つ考えられる原因のうち、一つは対処不能。一つは手を打った(ガソリンね)。
だから残りの一つの実施を検討する。
よく考えたら、人間ってこういう考え方しますよね。
だって、キャブの分解清掃とかあり得ないのですもの。
それはもう、問題解決を本気で考えるのなら、お店にお金を出して修理依頼することも選択肢の一つとして組み込むべきだが、そこなんだよな。

問題は解決してえ。
でも、面倒だったりカネがかかるのなら、
先送りにして放置するのもアリだ
本音を言えば、こうなるのだよ。
きっとプラグに問題がある。
スパークプラグをどうにかすれば、問題が解決するはず。
…そうであってほしい。
こういう結論になります。
この手の思考はバイアス(偏見、先入観、偏り)として悪者扱いされますが、簡単で安価な方法から試すという考え方…そうんなにダメですかね。
プラグが4本もあるの
数日寝かしてから、(ガソリンタンクからガソリンを滴下して)またエンジンをかけようとしたが、まったくダメ。
セルがキュルキュル鳴るだけで話にならない。
セルの音が元気だから、バッテリーは問題ないのだよね。
いや、しかし…どうしよう。
4気筒だが、プラグは全て点検した方がよい?
って聞いたら、ChatGPTさんはこう答えた。
🔁 まとめ
✔ 4本とも点検するべきです。 ✔ かぶり・劣化・火花の有無をすべて確認。 ✔ 状態が悪ければ、4本とも交換した方が結果的に安上がりかつ安心です。
4気筒だから、4本プラグがあります。
□■■□
それで、外側(□)の2本はアクセスしやすいのですが、内側の2本はまあまあの地獄なのです。
自動車でも軽自動車なんかは狭い空間に色々詰め込んでグチャグチャしていますが、バイクの場合はさらにカオス、奥まった部分はタンクやフレームなどをばらして整備する前提だったりします。
水冷4気筒KAWASAKI、ときたら整備性がスゴイ悪いのです。
脱着のしやすい外側のプラグだけ抜いてみよう。
外側の1本だけ、すげえ問題を抱えているに違いない。
…そうであってほしい。
こういう結論になります。

専用のプラグレンチを使って引っ張りだしました。
写真でもわかるかと思いますが、左側が茶色の液体で汚れています。
実物は写真で受け取るイメージよりもさらに過激にオイルでビッチョビチョでした。
オイルでビッチョビチョなのは問題です。
なぜなら、電気の通電を妨げるからです。
あと見るべきは電極の隙間が潰れていないか、ススが付着しすぎていないか、などです。
下の写真の角度だとわかりますけれど、2本とも(見た限りは)電極の劣化はほとんどありませんでした。

2本ともパーツクリーナーをかけたり、キッチンペーパーでふいたり、歯ブラシでミゾをこすったりしてきれいにします。
そして、戻す。
手締めでミゾの奥まで入って回らなくなったら、レンチを使って気持ち絞め込みました(本当は適正トルクで締め付けるのが正解)。
状況を整理すると…
バイクのエンジンがかからない。
セルは回る、バッテリーは多分、問題ない。
エンジンがかかる際の「ボフン!」みたいな気配がまったく起きない。
4本あるプラグのうち、2本を抜いたら、うち1本がオイルで濡れ濡れだった。

点検していない内側の2本のプラグも見るべきじゃないの?
そうとも言える。

1本は濡れ濡れだったが、もう1本は無事だった。
それなら、内側の2本も無事であると考えないか?
つまり正解の1本を見つけたんだから、こっちの勝ちだ!
何なんでしょうか、この考え方は。
プラグが1本だけ悪さしていました。という仮定が成立するのなら、この考え方でO.Kです。
でも、そうなのかなあ?

そんなもん、やってみなければ分からんだろうが。
さっさと、動かしてみろ
エンジンが…、エンジンが!(解答編)
トライ&エラーという言葉があります。
試してガッテンという言葉もあります。
そう、ダメもとでバイクを引きずり出し、チョークを引いて、キーをONにして、ギアのニュートラルも確認、さあセルモーターを回すぞ、回すぞ、回すぞ。
キュルルルルル…、ボフン、ボォォオオオオ…。
せ、成功だあ。
エンジンが…、エンジンがかかりました。
その後、10kmくらい走ってみました。
若干、アイドリングが落ち着かない気もしましたが、特に問題なく動きました。
結局、プラグの1本がヌメッていたのが原因だったようです。
以上
問題解決のプロセスは?
バイクが動かないのです~(汗)
と、チャットGさんに泣きついたところ、
プラグ、ガソリン経路、キャブレター
この3つの仮説を答えてくれました。
嘘は言っていません。
だけどさあ、
「この中に犯人はいる!」
って3人指名されてもさあ。
あくまで、犯人候補、複数の容疑者を教えてくれるだけであって、そこから正解を絞り込むのは当事者の手腕となります。
簡単で安価な方法から試すという考え方…それでいいんじゃないか?
AがダメならB、BがダメならC…、筋道を立てて効率よくやっていきましょう。
なぜなら、時間・労力・お金…
問題解決にかけられるコストというものは限られています。
あらゆる可能性を考慮すると、100とか1,000のビッグ・コストが必要となります。
しかし、現実には10とか20のコストしか使えない、使いたくない。
通常、4気筒のプラグ点検ということならば、交換用の新品も用意したうえで4カ所全部に対してアプローチします。
もちろん、そうするのが望ましい。
だがしかし、必ずしも4カ所全部に対してアタックする必要はない。
アクセスしやすい外側2本だけ点検するなんてことは苦肉の策ではありますが、だけれども人間は仕事でもプライベートでもコストカットのことばかり考える生き物です。
気持ちにも体力にも…、時間にもお金にも…、余裕が無いんだぜ。
そこのところ、よろしくだ、チャットGさん。
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