個人で作るお手軽AIビジネス。勝機は2027年まで…選択肢は2つ。

情報の熱量

OpenAI のニューモデルよりも、聞いてよオレのビジネスモデル。

ハイ、デジタル総合ウォッチャーのコンバット(クリムゾン)越後です。
皆様は久々に咲いたビジネスチャンスに浮かれていますか?…、しかしながらチャンスタイムは儚い(はかない)命。
最大の悪手は、今から時間をかけて学ぼうとすること…なのではないかな?

生成AIを利用してビジネスチャンスをものにするのなら、時間はない。
あと1~2年、…いや~1年しかないかも。
急いで開発を推し進めるのだ!
プログラミング…に限りませんが、何かしらのテクニックとからめてアイデアを実現させるためには技術の習得に時間を必要とします。
まったくの0からスタートするのなら、遅すぎるということ。
その根拠をこの記事では示します。

スマホ黎明期と似た雰囲気

スマートフォンが出始めの頃って、ゲーム屋さんとかIT屋さんはどんな感じだったでしょうか?

「スマホのアプリってどんなのがあるの?」

「ニンテンドーDSの移植版とか、ちらほらあるくらい…、あまり目立ったやつはないかな」

「アングリーバードっていうのがスゴイんじゃないの?」

「確かに世界規模でヒットしているけど、タッチパネルに寄せた操作性とゲーム性でアイデア勝負…がミラクル起こした感じですね。一朝一夕ではあ~いうものは、作り出せない。まったく考えが浮かばない」

(実際、制作会社の Rovio も50の失敗を経てから ↓ アングリーバードを成功させています)

Angry BirdsやSLUSHを生み出したPeter Vesterbacka氏が語る、スタートアップイベントにおける学生の役割|STT2024 ITAMAE事務局
こんにちは!ITAMAE事務局です! 今回は、3/19(火)にTokyo Innovation Baseにて、ITAMAEメンバーを対象に行われたPeter Vesterbacka氏の講演会の様子をご紹介します! Who is Mr.Pet...

「こうすればヒットする、儲かるみたいな、おいしいモデルはないわけなの?」

「ちょっと、今は無いと思うんですねえ。だから、本格的に手を出すべきだとは考えない」

こんな感じで、大きい会社からは敬遠されていた風味があります。
ところが、パズドラの登場あたりから潮目が変わります。
課金ガチャ、およびSNS連携によってドル箱ビジネスモデルが出来上がりました。

ソシャゲにおいて、弊社のシステムを模倣しているから貴社を訴えます! みたいな案件は起こらなかったでしょう。
だって、どこだって似たり寄ったりのゲームシステムなんだもの。

もちろん、魅力的な世界観やキャラクター、間口を広げつつも収益を高められるようなゲームバランス、適切な広告戦略、そういった持ち味が華麗にマリアージュしなければ大ヒットとはならなかったでしょう。しっかりと準備しないといけない。

だけど、第2のアングリーバードを作るより、よほど簡単。
それぞれの専門家をお金を使って集めれば、リッチなリターンを狙うことは十分に可能。
いわゆる期待値が高い安定のビジネスモデルです。

アイデアで勝負しているうちは、大手も弱小も個人も…、どこにだって圧倒的なアドバンテージはありません。
しかし、ソシャゲモデルとなっては資金力・運営力が重要なファクターになるのは必然。
個人が劣勢になり、大きな組織が有利となります。

こういう状況になってから、仮に素晴らしいアイデアを思いついて執念でゲーム化までこぎつけたとしても、難しいでしょう。
どうしたって埋もれてしまう。
時すでに遅し…、というやつです。

今の生成AIを取り巻くビジネス環境というものが、上述のアングリーバードが席巻していた時期と似ていると思うのです。
AIをどう取り扱っていいものか?
本当に使えるの?
表面的にはやっている感を出してみようか…、くらいの時期。 

AIを使ってどう稼ぐのか?

月に50万を稼ぐ魔法のプロンプト(生成AIから優れた答えを得るための効果的な質問方法…という認識でいいです)みたいな記事がチラホラ登場していますが、世間の反応は薄いと思います。
確実に成果を生み出せる説得力だとか、繰り返し成果を出す再現性みたいなものが弱い…と言うしかない。

ゲームチェンジャーはまだ表れていない。
理由として、ネット検索の亜種みたいな位置付けだからです。
参照元にしているデータが、従来のネット検索と大差ないのであれば「同じ材料をどう料理するか」レベルの差しか生まれないのです。

生成AIの利用を考える際に、参照データというものは重要視されます。

半導体の研究開発をするのであれば、その分野の学術論文を集めたデータ集を元に質問するのがいいに決まっています。
ノイズが少なく純度の高い「黄金の情報源」。
と、なれば「独自データ」が商売のカギになると思うのです。

うちのデータを使いたければ利用料を払ってくださいねモデル(ビッグデータ利用への課金)が徐々に主流になっていくと予想されます。

可能性が高いのは言語の壁の破壊か?

生成AIを使って面白い小説が書けるとは誰も思わないでしょう。

人間というものは体験の中で、個人的な思想が作られていく。
考え方次第で行動が変わり、その行動が独自の経験を作って考え方にも影響を与える…という円環、輪廻。
まあ、この…個体としてのオリジナリティーが半端ない。

時代と場所が生み出す偏りみたいなやつ。
それが、その人の文学の基礎になるのだと思う。
誰だって家族や級友は個性的だし、一部地域の暮らししかリアルには知らない。
読む本や観る映画、好んで聴く音楽だって一部ジャンルに限られる。
他人の仕事に関しては知ったかぶりをしているだけで実態は不明。
結局、知っているのは己・己・己…、自己とその周辺のみ。
こうやって濃くて太い体験をするから、そこから個性的な思考が形成される。
味っていうものは、こうやって醸成されるのではないでしょうか?
言うなれば、個人として面白いデータを持っているかどうかがカギです。

一方でAIは、あらゆる方面の情報を広く薄く蓄積する。
しかも、まずいラーメンを食べた食感だとか、便意を我慢した苦痛だとか、人間の感覚器から来る体験というモノは蓄積されない。
情報源(ネタ元)に個性が無いのだから、凡庸な発想しか生まれるわけがない。

これで、面白い小説なんか書けるわけがないってこと。

じゃあ、逆に可能性があるのは翻訳だと思う。
言語っていうモノは記号だから。

いつか、AIが翻訳した本が大ヒットする事件が起こると思う。
だが、それではまだゲームチェンジャーにはならない。

成功の基礎として、翻訳に適したデータベースというものが作られていくのではないか?
このデータベースこそが価値を持つという認識が出来上がるとき、世間の見る目が変わっていく気がします。
「今までは有象無象の意見を取り入れたレベルの低いデータベース…、それを元にAIの回答を得ていたからパッとしなかったんだな」
こういう意識の変化が起こるでしょう。

Google は膨大な数のネットデータから有用な記事を選別するために、専門性・権威性・信頼性などといった考えでランク付けを行っています。しかし、信頼できる文書のみで構成されたデータベースが存在するのなら複雑なアルゴリズムは不要です。
シンプルに真理へと到達する、そのために必要となるのが良質なデータ。

企業の真の資産~独自データ~

魔法のプロンプトなどと言って、データベースにインターネットを使っているうちは個人と企業に差は生まれない。

もちろん、生成AIの利用に熱心な企業では自社データを業務利用しているケースも多々あるでしょうが、自社で作られたデータを自社で利用するという考え方自体がちょっと古いのではないかと思います。

人間が文明の進化を遂げたのは、言葉や文字や教育によって知識と経験を次世代に残せたからです。
先人たちが蓄えた知恵を利用することができるというアドバンテージ。
よその文明が蓄えた知識を我が物にできるアドバンテージ。
脳は個人のものであっても、知識はみんなのもの―共有財産―だった。
一方で社外秘などと言って、外に出せずに大事にしまっているデータたち。
この秘蔵データを外に出して、提供側と利用側がWinWinとなる変革が起こるのではないかなあ…。

今までバラバラだったA社とB社とC社のマル秘データを結合したら、すごい電脳になるのじゃないか?
夢が広がるなあ…。
もちろん、データを守る暗号化技術も必要となるだろうけど、そちらも発達していますからね。

AIが進化(変化)してもデータは不動である

すぐね、すぐ新しいものが出てきます。
いいことだと思いますか?
必ずしも、そうじゃない。

バージョンが変わったら、それに諸々を対応させないといけない。
こういうアクションがすごく面倒。

ところがデータの方にはバージョンも何もありません。

〇●の破損率 温度90度 2時間放置 XX.X(%)
〇●の破損率 温度95度 2時間放置 YY.Y(%)

例えばこういう自社製品の素材に関するデータ。
厳密には使えなくなる可能性はありますが、10年前に記録されたものであっても20年前に記録されたものであっても有用です。

今までは自社で利用するしかない機密情報だから、公開なんてしなかった。
でもZZのAIが利用するデータベースとして提供したら、いいお金が転がり込んできた。
高度なセキュリティが施されているから、生のデータが盗用されることはない。
他社への提供をにおわせたら、簡単に契約金がアップした。
ああ…、データってこんなに価値があったんだ。

情報はカネになる、これがストレートに効いてくる時代。

人間の感情もビックデータとして集積・解析すればAIにも理解できるようになるでしょう。
そのビッグデータを作る企業。
ビッグデータ生成という業態。
データ作成で利益を得る、そういったものが今後は登場するはずです。
人間の機密情報(心の機微というやつ)をコンピュータに売るのか? それって倫理に反する?
そんな議論が勃発。
この段階を経なければ、革新は訪れないと思いますが…、そんなに遠い未来の話だとも思えないのです。

傍観しろと、言いたいのかって?

まとめます。

今から1~2年も経過すると概念の変化が起こり、企業は戦い方を知り、大量に参入してくることが予想されます。
そうなっては個人開発したアプリで注目されることが難しくなるので、やるのであれば早期に開発・リリースを目指すべき。
今から悠長に勉強して、そこから試行錯誤して3~4年後にリリースできればいいかな…では間に合わない。

じゃあ、とても興味があるけど、とても間に合わない…、そんな人はどうするべきかと言いますと機を待つべき。

先詰め式のマスケット銃から現代の後装式連発銃に変わるくらいの変化が起きるハズ。
もうすぐその変化が起きるというのに、火縄銃の取り扱い方法を0から必死に勉強してももったいないですよね、そういう感じ。

新車をモデルチェンジの1~2年前のタイミングで購入するのはどうなの? みたいな話です。
時期がちょっと悪くないか? と。

冒頭のスマホゲームを作った記事に戻りますと、Unity というものが普及しました。
私は結局、本を買っただけで触っていないのでアレなのですが、キャラクターを自在に動かしたり既存の素材を借用したりで開発が色々とイージーになります。

ファイナルソード アセット素材元まとめ - ふぃすの小部屋

例えばファイナルソードが作れます。
上のリンク先が詳しいのですが、群衆やモンスターの3Dモデルが販売されているみたいですね。
画像を自前で作らなくてもよい、というだけでも相当に手間が減らせるわけです。

Unity のアセット販売みたいに、信頼性の高いビッグデータが販売される流れを予想します。
この土地にこういう施設を作ったら、このくらい集客できて年間いくらの利益がだせる…そんなことも正確に計算できるのではないですか?
ビッグデータさえ利用できればね。

色々と今後の予想を書きましたが、それらは妄言ではなく過去の事象をふまえた上での推測です。
同じようなことは繰り返されるでしょう、何がお金になるのかを考えるべきです。

今がどういうタイミングで、これからどうなるのか?
チャンスは本当にあるのでしょうか。

生成AIの利用に関して考えると、少なくとも今の時期は後に「黎明期」と呼ばれる頃合いです。
「黎明期」の終わりがいつ頃に来るのか?
そこはすごく考えるべきなのではないかと、そういった提言です。

【AIでプログラミング不要】という幻想|片山良平@paiza代表
この記事は「paiza Advent Calendar 2024」の最終日の記事です。 最終日はpaiza株式会社で社長をやっている片山がお送りいたします。 ちなみにタイトルある「幻想」は、ペガサス幻想と同様に、「ファンタジー」と読みかえて...

上記サイトに書かれているようなことこそが真実なんじゃないか?
つまり、変革は訪れない。
とある職業の人間が行っている業務は多岐にわたり、〇●が代替できるのならAIに全部お任せなんていう簡単な話にはならない。
ただし、プログラマーが今後の世界で必要になるかどうかなんていうものは物事の見方の一つでしかありません。
私自身が今やっている仕事もAIとかロボットで代替できるのかな? って考えますけど絶対に無理だろうって思います。

変わる部分もあれば、変わらない部分もある。
しかし、社会の一部が変わればその影響は大なり小なり皆が受けるのではないでしょうか?
その混乱の中で勝機をつかむには、夢のようなことと嘘のようなことを分別して考えることが肝要です。
夢のような話=現実にはならない、すべてをそう考える必要は無いのです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました