オススメできる製品は? ケーブルも大事? スマホ充電以外の使い道は?
何年使えるの? 容量詐欺? 疑問がいっぱいあると思います、私が解決しましょう。
(おそらく)若くてもアラフォーのアナタ、最近の技術の進歩に付いていけますか?
頑張って情報を調べますけれども、若い人の書いた記事だといまいち理解しにくいと思うのです。
なぜなら、
フロッピーディスク 何それ?
PC-98 何それ?
ポケベルが鳴らなくて 何それ?
アナタと若い人では、感覚がやっぱり違いますからね。
感覚が違う人の説明を読んでも、腑に落ちないハズ。
でも安心してください、この記事なら刺さるハズ。
これはまとめ記事ですが、視点をしぼって攻めていますのでよろしくどうぞ、コンバット(クリムゾン)越後です。

USB端子に関して、昭和生まれに馴染み深いのは圧倒的に Type-A なのです。
この長方形タイプには20年以上、関わってきたのですから。
圧倒的、近所のおじさん感。
まだ現役だが、Type-C に押され気味。
最新のモバイルバッテリーを語るにあたって、詳細記事ではType-A端子を基軸に話を展開することが多いです。
この古き良き思想が背景にあることにより、他よりもクリアな理解ができることでしょう。
何を重視するのか?(品質)
モバイルバッテリーの種類は非常に多いのですが、商品によって持ち味が違います。
メーカーで選ぶなら、電気シェーバーでもお馴染みのフィリップスが一番メジャーでしょうか?
日本製だとエレコムですかね。
Anker、UGREEN、こういった中国メーカーが強いのも特徴です(スマホで有名な Xiaomi もだしています)。
私は会社はJAPAN、製造はCHINAの CIO というメーカーの製品をよく購入します。
フィリップスとエレコムがどうなのか知りませんが、世に出回るモバイルバッテリーのほとんどが中国の深センあたりで製造されているようです。

↑電熱ジャケットへのモバイルバッテリー給電に関しても言及しています。
リチウムイオン電池の世界シェアは、2023年8月時点で中国が約50%、韓国が約20%、日本が約10%と、アジア諸国が90%以上を占めています。
【国別のシェアについて】・中国は、リチウムイオン電池の製造において世界的な地位を占めており、2021年にはバッテリーセルの約80%を製造しています。
・韓国のLG化学は、電気自動車シェア世界1位のテスラをはじめ、世界の大手メーカーに電池を供給しています。
・日本は両国と比較するとやや出遅れています
AIによる概要
バッテリーセルとは円筒形の物体で、これが複数個合体してバッテリーになります。
車やバイクの鉛バッテリーも同様、2Vの6つのセルが直列に接続しています。
確か、アマゾンで買ったバッテリーをバイクに搭載する際、シールされた筒(セル)に穴をあけて開通させる作業があったと思います。
脱線しかけました…、中国でリチウムイオンのバッテリーセルの大半を製造しており、さらにそこからモバイルバッテリーに仕上げて製品化する。
その過程で、優良企業ならば品質管理をしっかり行いますが…
悪い企業だと
品質管理をしっかりやらないどころか、小さなボディーに40,000mAhとラベリングして出荷したりします。
中華性だから品質に問題があるとかそういうことではなく、メーカー次第で玉石混合ということです。
99%
ガセ商品は↑こういうことをやりがちですね。
巨大な液晶ディスプレイと見せかけて、ほとんど余白。
商品画像を見せた際に、少しでも付加価値がありそうな印象を植え付けたいのでしょう。
例えば Anker が粗悪品を売りだせばブランドに傷が付き、他メーカーに客が流れると思います。
だから、品質管理はしっかり行い粗悪品を作らないよう努力する。
見えないところにもコストをかける。
お客様から信用された方が、利益を生み出せるからです。
ところが謎メーカーであれば、この論理は通用しません。
プライス(価格)を重視
モバイルバッテリーはそんなに高いモノではありません。
予算として5,000円も考えておけば、選択肢は十分にあります(大容量を考えなければ)。
安いものを求めるなら、小型軽量の低容量のものがオススメです。
アマゾンなどで検索すると、安くて高性能のものがありますが要注意です。
だいたい、安くて軽くて大容量の3拍子そろっているのですが、リチウムイオン電池である以上、容量と重量には相関関係があります。
まだ人類に知られていない新技術でも使っていない限り、それは無理だろうという製品がいっぱいあるのです。
情弱をだます商法ですね。
もったいぶっても仕方ないので、先に結論を書きますが 22,800mAh をうたっている商品が、実際は7,000~8,000mAh相当だろうということが分かりました。

↑電子天秤で実際の重量測定を行っています。重さはスペック通りなのですね。
モバイルバッテリーに対して特に知識が無くて、スマホの予備電源として持ち歩きたいのであれば、次項の「ウェイト(軽さ)を重視」を参考にしてください。
ちなみに、スペック詐欺のインチキくさい商品は 20,000mAh以上の大容量であると詐称する傾向が大なので、10,000mAh以下の商品であれば(スペックの信頼度に関しては)安心だと思います。
ウェイト(軽さ)を重視
本当に軽さを最重視するのであれば、5,000mAhクラスの製品がよいかと思います。
ただし、モバイルバッテリーでは3~4割の電気的なロスが必ずあるので、5,000のモバイルバッテリーで5,000のスマホを0%→100%に充電する力量は無いと考えてください。

軽さを重視するけど、汎用性も欲しいかな、と考えるのであれば 10,000mAh がオススメです。
あと地味に重要なのが、端子の形状です。
例えば、お家に Type-A(オス)ー Type-C(オス)の丁度いいケーブルがあって、それを使うつもりならモバイルバッテリーに Type-A の穴が付いていないと困りますね。
また、電熱ジャケットとの接続などは2025年の今でも Type-A が多いと思います。用途を考えて接続端子の形状を選ぶのが面倒だと言われるのなら、A端子x1、C端子x2、くらいの製品がオススメです。

↑モバイルバッテリーに付いている端子でお悩みなら上記を参照ください。USB Type-C でやってはいけない接続についても解説しています。
ちなみに、コンセントに刺せるプラグが付いているタイプは容量の割に重くなりがちです。
スピード(速さ)を重視
スマホ充電に関しては、20Wの急速充電(PD3.0 QC3.0 PPS)に対応しているものを選べば問題ないでしょう。
ただ一つ、注意点があってケーブルも急速充電に対応している必要があるということです。
規格 | 最大転送速度 | 端子の形状 |
1.1 | 12Mbps | 2000年以前の規格 |
2.0 | 480Mbps | type-A や type-C |
3.0 | 5Gbps | type-A や type-C |
3.1 | 10Gbps | type-A や type-C |
3.2 | 20Gbps | type-A や type-C |
4 | 40Gbps | type-C のみ |
基本的に最近の規格ほど速度アップしています。データの転送速度に比例して充電速度も上がると考えていいのではないかと思います。ケーブルのせいで速さがイマイチな状況については…最高速度が180kmのマシンでも、100km制限の道路では100kmまでしかだせない、みたいに考えましょう。
スペック上の最大ワット数は出力性能として考えます。V(ボルト)とA(アンペア)の掛け算ですね。USB接続だと5Vまでしかだせないと思っている方も多いと思いますが、もっと高い値がだせます。むしろ、アンペアの方が5Aで最大値となっています(2025年現在)。ノートPCの充電を考えているのなら、上は45W、65W、100W…と、さらなる高みを必要とします。
USB PD 対応のノートPCなら、モバイルバッテリーを使ってスマホやタブレットと同時に高速充電できます。便利な時代になりました…、って言うじゃない?
でも、ケーブルやモバイルバッテリーがスペック不足なら思うようにはいきませんから!

↑ノートPCを充電する方法を詳しく見ています。お手持ちの機器にType-Cポートが付いていても、USB充電できるとは限らないのです。Type-Cは非常に難解です。
テクニック(技術)を重視
ケーブルを使わないワイヤレス充電機能を備えたタイプもあります。
また、モバイルバッテリーをコンセントに接続した状態でUSBケーブルを用いてスマホなどに同時充電する用途(タコ足配線みたいなアレね)だと、パススルー機能を備えたものが有力です。
パワー(容量)を重視
モバイルバッテリーの大容量タイプとして20,000~40,000mAh クラスのものがあります。
こうなると、スマホやタブレットを複数、あるいはノートPCへの充電が目的となってきます。
価格、重量、大きさが膨張しますので、コスパや携帯性が失われます。
コスパに関しては、使用目的次第なのですが。
さらに大容量のポータブル電源というカテゴリーもあります。
ここまで大型化すると、災害用かキャンプ・車中泊用の趣(おもむき)が強いのですが。
車内充電との合わせ技
マイカーで出かけることが多い人であれば、シガーソケットを使うUSB充電器の活用を考えるのも良いでしょう。

単3・単4乾電池の代替として
本来、乾電池を使う電化製品に対してモバイルバッテリーから給電するという荒技もあります。

安全性
近年、モバイルバッテリーの航空機内への持ち込み制限が強化されています。
発火のリスクがあるというのです。
古くなったものや、充電回数が300回を超えたものは危ないとも言われています。
通常の使用における充電・放電以外に、より深刻なダメージを与えそうなNG行動があります。
・落下させて衝撃を与える
・夏場の車内放置などで高温環境下にさらす
・水没(故障しない程度に)させる
・100%の充電以降も長時間にわたって充電を続ける
・0%になった状態で長期間放置する
薄型のカードタイプのモバイルバッテリーは衝撃に弱い可能性があります。
しかし、実際に飛行機で発火したケースは
「10年前に買ったけど年に2~3回しか使わないからいいんじゃない? メーカーは知らない、安かった。何回か床に落としたかもしれない」
こういう危険な要因が重なった結果かもしれません。
友人から譲ってもらったモバイルバッテリーが、とんでもないダメージ品だったのかもしれません。
明らかに電池の減りが速くなっていたり、中身が膨らんでいるという危険の兆候があるモノを使ったのかもしれません。
乱暴に扱えば、リスクが増える種類のモノです。
そもそもが安全性を考慮していない(物理的な防御力に限らず電気回路がシッカリしていないなどの)ダメダメ設計かもしれません。
航空会社にしてみれば、一律禁止にした方が管理しやすいから、その方向に舵取りするのでしょう。
機内持ち込みを検討するなら、後述する「21700電池」を取り外せるタイプのモバイルバッテリーも有力です。単3電池をセットするタイプのハイグレード版と考えるとよいでしょう。テスラなどの電気自動車は21700(リチウムイオンのバッテリーセル)を数千本単位で使用しますが、携帯用に2本だけ使用する感じです。電池を取り外して短絡処理をすれば(絶縁された樹脂ケースに入れるなど)、発火のリスクが大幅にダウンします。
フライト中にスマホ充電することだけをあきらめれば、よいのです。
私は Anker の PowerCore 10,000 という製品を電熱ジャケットに利用する用途で5シーズン使いました。
完全に0%まで使い切ることが過半数な状況で、おそらく充電は300回くらいしています。
今のところ、劣化の気配はありません。
しかし、古いモバイルバッテリーはオーバーに言えば危険物ですからね。
事故を起こさないうちにリリースするのが世のためか。
特に劣化が過ぎて膨張してしまうと、廃棄するのが非常に困難なようです。
充電池を利用するタイプ
逆に単3乾電池を使って充電するタイプのモバイルバッテリーもあります。
だいたい5V、1A程度の出力まで。

Android Xperia SO-02L(2700mAh)で検証。
Amazon レビュー トップランド(Topland) 【単三電池×4本タイプ】
バッテリー残量15%から充電開始。
約6時間後、70%までしたところでストップ。それ以上は接続していても充電量が増えることはありませんでした。
70%−15%=55%の増加です。
災害時ではACアダプターは役に立ちませんので55%だけでも増加できたので可とします。
非常持出袋には単3乾電池を3セット分(12本)備蓄しておくことにしました。
上記レビューにあるように、古めのスマホ(2019年発売)であっても100%の満充電はできないみたいです。
と、簡単に言い切れるわけでもなく(電池の性能にも依存するだろうし)、この界隈の話はこれもまた複雑なのです。

一方で、取り外し可能な充電池使用でありながらパワフルを売りにするモバイルバッテリーもあります。セットする電池の規格は「21700/20700」などという表記となります。
この手の充電池の規格を意味する5桁の数字は何かというと…
直径と長さです。21700なら、直径21mm、高さ70mmということです。
ちなみに単3電池が、直径14.5mm、高さ50.5mmということなので…、写真で見ると21700電池は単3電池っぽく見えますが、実際はもっと大きいということです。
もちろん、単3電池だと21700モデルの充電器(スロット)には適合しませんので充電できません。

環境配慮(リサイクル)
製品の廃棄に関しては、意外と難しいようです。
下記は、CIO の他社製品も回収してくれるサービスです。

後々のことを考えるとモバイルバッテリーをご購入の際は、メーカーが JBRC に加入しているかどうかを調べた方が良いですね。国内企業のエレコム、CIOなどに限らず、海外メーカーでも有名どころのアンカー、フィリップス、シャオミなどは加盟しています。
中華性の激安謎メーカーの商品を買うと、廃棄の際に困ってしまう可能性があります。
総合的に考えて、安さだけで購入するのはマイナス面が大きいと思われます。
考えてみると、モバイルバッテリーに限らずリチウムイオン内蔵の電化製品は多数あるのですが、例えばスマートフォン…、どうやって処分するか考えないと家の中にどんどん溜まっていく気がしますね。

新技術・リン酸鉄リチウムイオン
リチウム(Li)は1価の陽イオンになりやすい元素です。
リン酸鉄には、2価鉄(Fe2+)のリン酸第一鉄( リン酸鉄(II) )と、3価鉄(Fe3+)のリン酸第二鉄( リン酸鉄(III) )があります。
リン酸( PO4 )は 3価の陰イオンです( PO43- )。
リン酸鉄(Ⅱ)は、Fe3(PO4)2 ですが、これを分解・結合して(このザックリ説明が限界…)
↓
LiFePO4 にすれば( LiFe で 3+ だから PO4 の 3- と釣り合うのでは?)、リン酸鉄リチウムの出来上がり…のはず。
LiFePO4(リン酸鉄リチウム)を正極(電池の+側です)に用いている。
今まで主としてLiCoO2やLiMn2O4 などCo系(コバルト系)、Mn系(マンガン系)の正極材料が用いられてきました。
従来の正極材より安価ではあるが、エネルギー密度が低いのを補うために様々な技術を用いた加工処理が行われるためトータルコストは安上がりとはなりません(ここは難しくてよく分かりませんでした、企業秘密っぽい部分もありそう)。また、おそらくですが製造できる工場も従来品よりも限定的になると思われます。
メリットは下記のようになります。
・化学的に安定しており安全性が高い
・電池寿命が長い(充放電サイクル1,000回)
・リン酸鉄の人体に対する毒性の低さ
リン酸鉄リチウムイオンは電気自動車に用いられることが多いようで、Anker の製品にしても容量の大きいポータブル電源での採用はあっても、低容量製品では未採用でした。
でも、ありました。我らがエレコム。
78mm x 159mm x 17mm(厚み) 310g 12,000mAh
値段は普通です。特別に高いわけでもない。4,500円位。長持ちすることを考えたら、むしろコスパが良いくらい。
ただ、明確なデメリット系の特徴があって容量の割に重いのです(コンセントプラグが付いているわけでもないのに)。エネルギー密度が低いので、大型化によって重くなりやすいみたいです。
一方でま~た嘘ついているっぽい商品もありました。

68mm x 150mm x 16mm(厚み) 219g 10,000mAh
上記の寸法・重量が書かれていたのですが、同じく 10,000mAh で薄型(カード型)形状の Anker 製品とほぼ同じ寸法・重量です。Anker のモバイルバッテリーはリン酸鉄リチウムイオン電池だと記述されていないので、正極は従来技術の普通品なのでしょう。
上記製品が嘘を付いていないのなら、下記のいずれかを肯定しなくてはなりません。
・エレコムの製品が無意味に重たい
・Anker が重量系ポータブル電源の方でリン酸鉄に積極的なのは、特に意味なし
・他メーカーが 10,000mAh で製品化しないのは、技術不足かヤル気不足
・このXXXXXという無名中華メーカーが実は超一流なのです
新技術・ナトリウムイオン
前段のリン酸鉄リチウムイオン電池は、正極にコバルトやニッケルといった希少金属を使わないことが一つの特徴です。しかし、相変わらずリチウムを使用していることには変わりありませんでした。
ナトリウムイオン電池は、リチウムを使いません。
ナトリウムイオン二次電池(ナトリウムイオンにじでんち、sodium-ion rechargeable battery)とは、非水電解質二次電池の一種で、電解質中のナトリウムイオンが電気伝導を担う二次電池である。正極にナトリウム金属酸化物を用い、負極にグラファイトなどの炭素材を用いるものが想定されている。単にナトリウムイオン電池、ナトリウムイオンバッテリー、Na-ion電池ともいう。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』